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昨日は北九州芸術劇場の小劇場で、岡本綺堂の『番町皿屋敷』(怪談の方じゃないですよ)のリーディングセッションを観てきました。
今回の『番町皿屋敷』はリーディング(朗読劇)ですが、ちょっと変わっていまして、稽古から本番までを1週間以内に限定し、役者は台本を手にしていることだけを条件に、どんな演出もOK!
なおかつ、生演奏の音(今回は三味線)とジョイント!というもの。
更に、演出はネオ歌舞伎でおなじみ(?)の花組芝居の加納幸和さんなんですよ!
噂を聞いた時には、チケット手に入るかしら…なんてドキドキしたものです。
出演者は花組芝居の小林大介さん以外は、すべて事前にオーディションを受けて選ばれた地元の劇団などの方です。
どんな風な舞台が展開されるのか、とても楽しみにしていました。
少し早目について、通路のソファーに座ってぼんやり見てたら、中劇場と小劇場を間違える人続出。
小劇場のスタッフがそのたびに誘導。
私も、明らかに間違えている人に、中劇場はもう少し先ですよ~と何回か声をかけたりしました。
この日中劇場では青春座の『ゼロの焦点』がほぼ同じ時間に上演だったようで、どうやらそちらのお客さんだったようです。
中劇場はちょうど小劇場の前通路を通り抜けなくちゃいけないし、その先は右に曲がっていて、一見その先にまだ通路があるとはわかり辛い作りになっています。
あまり来たことがない人には、不親切な作り&案内サインだなぁとは感じました。
さて、開場してチケットを差し出し、会場へ向かおうとしたところで、思わず硬直。
なんと真っ正面の壁際に、演出の加納幸和さんがラフなお姿で立っていらっしゃるではないですか!
お客様のお出迎えってとこでしょうか、何の心構えもないところでしたので、息止まるかと思いました…。
いやいや、立ち姿も美しい方でした…。
客席へ行くと、なんと最前列はベンチシート、かぶりつきです。
さすがにそこには座らず、椅子席最前列のセンター辺りに席をとりました。
自由席だったのです。
舞台には緋毛氈(ていうか、たぶんパンチカーペットだと思うけど)が敷かれ、上手奥には音響担当(三味線)の杵屋邦寿さんがお座りになるだろう座布団。
後ろには桜の花がまるで枝垂れ桜のように吊るされていて、黒い幕に映えていました。
そして14:00に開演。
小林大介さんは流石の貫禄で、抜きん出てましたね。
惚れ惚れする様な男ぶりの青山播磨でした。
後ろの席からずっと、じょうず、上手ね~と頻りに聞こえてきて、ちょっぴり苦笑。
それはアンケートでお願いします、声に出して喋らないで~!
そしてラストの「家重代の宝も砕けた。播磨が一生の恋も滅びた。」で、「那河岸屋!」と大向こうがかかってましたね、さすが花組芝居。
でも、お相手のお菊役の沖田みやこさんも、引けを取ってませんでしたよ!
ほぼ舞台にでずっぱりだけど、全体的に安定してて、千々に乱れる女心を情感良く表現されていました。
リーディングっていうより、芝居寄りって印象で、ネオ歌舞伎の空気も感じる舞台でした。
衣装は黒紋付(小林さんだけ大介銀杏で、他の皆さんは花組の紋)に芥子色の袴、小道具(皿とか刀とか)は白い扇子。
生の三味線と附け打ちっていうのも、芝居にはぴったりでした。
それにしても、前述のあの縛りで、あの完成度!
素晴らしかったです。
最初から最後まで、息を止めるようにして見入っていました。
1時間なんてあっという間!
やっぱり観に行って良かった!ってつくづくと思いました。